クローズアップお仕事 一般にあまり知られていない介護施設の仕事に注目!

介護付有料老人ホーム事業の課題

介護付有料老人ホームは、高齢を迎えた人の終の住処として認識されつつあります。さまざまな事情によって在宅での介護・看護を依頼できる近親者がおらず、生活に不安を抱える高齢者にとっては、最後の頼みの綱となっています。

介護保険制度の施行に伴って利用者本位のサービスの提供が高齢者介護の業界において進められていますが、介護付有料老人ホーム事業はさまざまな課題を抱えています。

その一つとして、他の介護施設よりも入居時の費用が高い傾向にあることが挙げられます。

なかには入居のための料金が全く必要ないという施設もありますが、数百万円以上かかるケースが多いのが実情です。立地条件やサービスの充実度によっては、一億円以上の入居金が請求されるような場合もあるのです。

質の高いサービスを提供している施設を選びたいと思いながらも、経済的な理由で条件に合わない施設を利用しなければならないといった状況が発生してしまうのです。

実は、介護付有料老人ホームを利用するために必要な資金の準備によって、人生の歯車が大き崩れてしまう世帯は少なくありません。まとまったお金を迅速に調達するために早期退職によって退職金を入手し、50代で再就職の道を選んでいる人もいます。

また、施設内でのレクリエーション活動が充実している点が介護付有料老人ホームの大きな魅力となっている一方で、他者との関わり合いや共同生活に抵抗がある人には、生活が窮屈になってしまう側面もあります。

自立した状態の人が利用できる施設数はまだ少なく、選択肢が少ないことも問題の一つとされています。施設によっては、身元引き受け人がいない人や感染症に罹患している人を受け入れていないこともあるので、施設基準やサービス内容について、十分にリサーチしてからニーズに適する施設を模索する必要があります。